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目次

妻業とは?

今、なぜ妻業なのか?

黒川博行の小説、「後妻業」が、2016年8月大竹忍主演で『後妻業の女』として映画化され、話題になってのも記憶に新しいですが、後妻ならぬ、「妻業」とは本来どんな意味かを考えてみました。

後妻のすべてが、映画のストーリーのように夫の財産を狙って早死にさせることをもくろんでいるわけではありません。晩年を共に楽しみ、いたわり合い添い遂げる同じように、妻業も、表面的なものでない本質があります。

女性の活躍がややもすると家庭の外での活躍に焦点が絞られがちであるいま、昔は永久就職という名の職業出会った妻業を現代の意義でとらえるとどうなるのか? 

 

職業=「心がない」とするのでなく、職業だからこそ「中身に甘えは許されない」「覚悟のないホンモノ以外は淘汰される」ととらえると、おもしろい見方ができそうです。これからご結婚を考える方、現況にやりがいのなさを感じている妻業の方の、指標のひとつとしてみていただけたら幸いです。

 

プロフェッショナルとしての業務内容を4部門に分け、ご紹介してみようと思います。

夫育 夫をプロデュース 大成功に寄与する妻業

妻業は、夫の身体を食事を通して創り、環境や愛情でメンタル面の管理もします。スポーツ選手の妻の食事管理は、話に聞くだけでも大変だと思いますが、ほかにも、パイロットやファンドマネージャーの妻の9時就寝、農家やパン屋さんの早起きなど、365日、張り詰めた気持ちで、妻業にいそしむ方は、たくさんあります。

夫の最高の仕事のパフォーマンスに寄与できるこの仕事のやりがいは、女性にとり専業、副業様々かと思いますが、ほかの仕事にない責任をもつ、かけがえのないものと言えます。

 

人並みならぬ活躍をされる男性には、たいていこんないい奥さんがいるからと納得するケースが多々あります。また、逆に優れた才能を持った人でも、家庭がうまくいかなくなると健康を害したりして、本来の力を発揮しづらくなります。

 

配偶者が亡くなった後のデメリットは夫のほうが大きいようですが、本来、生む性ではない男性にとり、本能的なもののようです。若い頃は母の存在が、モチベーションの源であり、成人するにつれて、恋人や配偶者に移り変わることは、自然だと言えます。

 

子育 子育てを通じて未来の社会に寄与する

パパにさせてはもったいない?子育て

子どもを育てることがイクメンの普及化により 夫婦二人の責任になってきました。

「私も働いているのだから、私だけに時間体力負担がかかることのないように」という基本スタンスが、ご家庭の共通認識にあるようです。保育園の送り迎え含め、そうしていかないと仕事を続けながらの子育ては物理的に不可能でしょう。

 

一方で、私は最近、子どもの教育に関し、男性のほうが不安を感じている声も時々耳にします。「子どもの才能を可能性を100%伸ばす、そういう教育、受験管理を母親ができるだろうか?」という漠然とした不安です。幼稚園選びから大学受験までを、妻がしっかり実務フォローしてくれるだろうか?その時間、能力はあるだろうか?

母がどこまで関わらないといけないのか?もし、妻が拒否するのであれば自分が担当せねばならない・・・。

 

そんなお悩みです。子どもの成績が母の成績であった時代は、共稼ぎが当たり前になり、稼ぐだけでなく女性が出世にこだわりだしたいま、子どもの成績より自分の活躍を優先することは、多いに考えられます。

 

また、昭和の高度成長期のように、息子を東大にいれさえすれば一生安泰の時代ではなくなり、母が己の人生をかけて、子どもの中学受験に青色吐息というのも、もはやナンセンスなのでありましょう。

 

しかし、子どもたちを社会に送り、今思うことは

 

「子育ては夫からうばってでやれ」

ということに尽きます。託児所の送り迎えは、時間的にお願いしたほうがいいご家庭もあるのかもしれないですが、教育に関しては、妻が率先したほうがよさそうに思います。

 

 

受験期の繊細な思春期の子どものメンタルに寄り添えるのはお母さん

それは、自分でやってみて、母親にとり犠牲を払ってでもやるだけの価値が十分あると思ったことと、お母さん同士が楽しそうに交流しあう姿から子どもが学ぶところも多いこと、子どもの食や生活習慣を管理するお母さんが、トータルで学習面もフォローすると、より包括的なケアが可能であるからです。

 

勉強好きで教えるのが好きなお父さんもいらっしゃいますが、ことに男子については、母親が見たほうが、プレッシャーがなさそうです。

どうしても、できないとイライラするのが親の常であります。プライドの高い男の子が、同性の親から、「なんでおまえはできないのだ」と怒鳴られたりしたときの、心理的にストレスは、お母さんに「どうしてこんなこともわからないの」と言われたときよりも大きいようなのです。「うるさい、くそばばあ」と言い返す関係のほうが、傷に残りません。

 

男の子の父親に対する畏怖の念は、相当なものであると見ていて思います。

 

 女性の方が長生きする~できる範囲で子どもに尽くす時期があってもいい

 

お仕事の形体によりできる方、やりたくてもできない方それぞれであろうと思いますが、夫が喜んでシェアしてくれる理解ある人であっても、面倒なこと大変なことを、ある程度お母さんが自分でやりきってしまい、子どもとの密接な関係を構築しておくことは、自分が高齢になって世話になるときの助けになるように思います。

 

いったん、子どもが大きくなってしまうと、子どもはかけた苦労以上に、こちらを思いやり理解してくれます。それは、激しく反抗された時代があったとしても、いつも逃げずに向き合ってきた結果だと思えるのです。

 

出産、子育て以外のことは、すべてあとから追いかけて追いつくことが可能です。子育てはすぐ終わるものだから仕事を捨てるなとの意見もありますが、すぐに終わるものだからこそ、一時的にそちらに傾いても、後悔のないように人の人生の基盤づくりに、全力で寄与してもいいと思います。

 

身の回りのしつけから健康づくり、社会に役立つ人材に育てるすべてを担当できることは、やりがいのある大きな事業、そのことをやり切ったキャリアが社会で十分に生かす時が来ます。

 

「子育ては夫から奪ってでもやれ」とは、そういう意味があるのです。

 

 

じぶん育 自分の人生をプロデュースしていく

結婚すると自分のことにかまけられるようになる

既婚・未婚問わず、女性は自分の才能を生かして輝いていくことができますが、結婚した女性のメリットとして、車が両輪になったこと、さらに夫の両親や子どもとチームになることで四輪車になって安定するという点が見逃せません。精神的に常に老後の不安を考えなくても済むことから、より仕事に集中できる面もあります。

 

人間が応援してくれる人をそばに置くと、どれだけ気が楽になり、ストレスを減らせるかをぜひ体験いただきたいです。

それは、お茶碗や洗う洋服の量が二倍になり家事負担が増えたことを、はるかに上回るレベルです。結婚すると自由がなくなる、お金が使えなくなるという考え方はまるきり逆です。

 

ダブルインカムになることで、老後のリスクヘッジができ、応援者ができることで疲労感が減る、食事をつくることひとつとっても、喜んでくれる誰かのためにでき、ありがとうを言われることが倍増する・・・

 

イイことづくめの状態で自信を育てながら、のびのびと自分の仕事や生きがいについて考え、90歳までの人生をはなひらかせていくことが可能なのです。

そのありがたさを最初に感じるのが親御さんの介護の時であろうと思います。

 

チームじぶんのプロジェクトマネージャーであることが、自分自身への恩恵としてまわりまわってきます。

 

 

社会貢献~しごと・家族をしあわせにした生き様を通して社会にお返しする人生