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銀行に売り時と言われたとき、どう対応するのが一番儲かるのか?

 

ある日、私のところに取引先の銀行から電話がありました。

「トランプ政権になる前に、お持ちのUSリートは今が売り時ですよ」

忙しいこともあり、すぐには話に乗らなかったのですが、そのあと、USリートが危ないというような新聞記事を見かけたこともあって、どこかで記憶していたのでしょう。ついに酔っぱらったときに深夜 解約ボタンをクリックしてしまいました。すぐに、あれ?これはよかったんだろうか? と後悔しました。

今が売り時です・・と金融会社に言われたとき、あなたならどう対応しますか? 国際マーケットで現在活躍中の元ファンドドマネージャー 橘樹薫氏に伺いました。

 

銀行、証券会社はどんな時に 売り時と言ってくるのでしょうか?

 

金融機関はお客様に売ったり買ったりさせることで、商売が成り立っています。(金融の仲介機能)ですから、売りなさいと奨めたときには、私が売却するとなにか金融機関においしいことが起こるわけですね。銀行は損をしてまで、私の資産を守ることはしない・・そこまではわかるのですが・・私に「トランプ政権になると不安定になる可能性があるから、今のうちに売り逃げといたほうがいい」と言って売らせたいとき、どう考えるのが安全なのでしょう? 銀行の言うことを素直にとるのがよいのでしょうか?

 

村田:橘樹さん、銀行から突然、USリートを売ったほうがいいのでは? と電話があったのです。最初はすぐには反応しないものの、新聞記事や人の話題から、トランプ政権になってUSリートを持ち続けるのは 危険なのでは?・・というような話をいくつか見聞きしていました。

わたしにとってはいいお小遣い稼ぎのファンドであったわけですが、お酒の勢いで(笑)ある晩、解約し後悔しているのです。トランプ政権になると市場はどう動くのか、誰にも予想できなかったあのとき、同じように報道で迷った方もあったかもしれません。 橘樹さん、こんなとき一般消費者はどう考えたら 資産を守れますか?

新聞記事は小さい記事に重要なことが含まれている場合が多い

 

 

橘樹:そうですね。弘子さんが銀行の電話ですぐに売らなかったのは賢かった。さらに言うと、お母様が新聞の小さな記事を切り抜いて、持ってこられたとおっしゃってましたが、それもすごく賢いのですよ。新聞というのは小さくて見落としがちな記事にこそ、真実が詰まっていることが多いのです。一方、大きな情報で 操作された情報も多々あります。

 

村田:そうなんですね。新聞ですら操作されることもあると。では、銀行が私に売却を進める時と言うのは、裏でいったい何が起きているのでしょうか?

金融機関があなたに売却をすすめるときには? 何が起きているの?

 

橘樹:銀行は あなたがUSリートで利益を得ていた、損をしていないことを認識していて弘子さんのUSリートを他の欲しい人に売りたい、銀行はそこで手数料を稼ぎたいと考えるわけです。銀行証券会社の仕事は、保有者の持っている金融商品を、他の欲しい人に売ることで手数料を稼ぐことなのです。ですから、今、USリートが危ないだけが理由ではなく、USリートを欲しい人、今買いたい人を探して手数料を得る・・そのように考えるべきなのです。

村田:わあ、そうなんですか。考えたことなかったです。他に買いたい人がいるから、私に売らせたかった・・! そのからくりを知らずに、まんまと売ったら思うツボですね。わかったうえで、判断すべきなのですね。なんだかくやしくなってきました。

 

まとめ

 

今回は、投資信託の売り時について、銀行証券会社から売却を薦められたとき、考えるべきことについて、基本の考え方をお聞きしました。

売ったらどうですか?ということは、必ず、ほかに今、欲しいお客さんが存在するということ、(相対取引という)つまり、今、買うことがメリットだとする方がほかにいるわけですね。

会社が売却を薦めたら、誰かに売りたいのだと、それだけはわかっていたほうがよいということです。

未来を拓くHirokoの扉~資産を増やす では・・

今回のケースは、ちょうどトランプ政権誕生という、誰にも読めない状況であったから、お客さんに売却させる理由としては一番いい時期だったのかもしれません。もちろん、銀行はそんな思惑で私をどうにかしようというのでなくとも、政権が変わることで 誰もが不安であったし、実際読めないところもあったと思います。

 

未来を拓くHirokoの扉~資産を増やす では、これから 国際金融マーケットで活躍中の橘樹さんに 情報に振り回されず、正しく判断して自分の資産を守る方法をお聞きしてまいります。

 

次回は、今話題の仮想通貨 ビットコインについてお聞きしてまいります。

 

 

橘樹 薫~たちばな かおる氏 プロフィール

 

元ファンドマネージャー、旧三井信託銀行(現三井住友信託銀行)、米国最大の信託銀行

State Street等経て、現在米系資産運用会社(ヘッジファンド)に勤務。

国際金融市場と向き合って30年プラス、資産運用・ファンド関連業務に精通しています(信託

が専門)。

FX取引、債券、株式、不動産、商品、デリバティブ等様々な投資の最先端の現場に身を置き、

複雑な金融経済の本質を見極め、グローバル市場の今をエッジの効いた分析で発信します。

グローバル化・複雑化した金融経済・市場は、決して経済理論通りではありません。

様々な運用を経験し、常に市場と対峙し実践に裏付けられた知見で、金融経済・市場を横断

的な視野で捉え、的確に分析・判断します。

市場には経済原理だけでなく、需給、投資家心理、ニュースや事件、要人の発言など様々な

事象が織り込まれます。将来を予測する精度には限界があり、ゆえに市場の本質を見極めること

が大事です。そのときどきの相場動向(価格)は語られても金融の実態(マネーの動き)を説き、

エッジの効いた視点から本質をつく分析・判断します。それらを指針として資産運用の基本である

「リスクをマネージする能力」が養われます。 変化の激しい市場の今をマクロの視点から分析し、

難題を分かりやすいことばで解説します。

 

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